The ENSHU +プラス 創造事業

遠州格子

 江戸時代から織り始められた「遠州縞」(商品名: 遠州綿紬)は、浜松繊維デザインのルーツと呼ばれる織物で、日本の四季から生まれた温かみのある「日本色」とやわらかな質感が特徴です。遠州地方の温暖な気候と豊富な水源をはじめとする自然環境は、棉作り(わたづくり)に適しており、三河、泉州とならぶ綿の三大産地として栄えました。

 

 遠州縞の伝統と技術を継承する活動を行なっている「遠州縞プロジェクト」は、感性豊かに新たな商品化·ブランド化を図り、人と町を元気にすることを目指してきました。そこで、さらなる新しさを求め、遠州縞の特徴的な「縞柄」の概念を革新し、緯糸(よこいと)の可能性を未来へ繋げる [TheENSHU +プラス 創造事業]に取り組むことになりました。


遠州格子とは

「遠州格子」は、従来の遠州縞 (商品名:遠州綿細)を基に、緯糸に複数色を配した新感覚の格子織物です。今回の事業では、6人の外部デザイナーが、それぞれのコンセプトを生み出し、実際の織物として表すことができました。多彩な縞柄(ストライプ)に格子柄(チェック)をプラスして、さらに魅力的に進化した遠州縞です。

 

遠州縞(経糸)+ (緯糸) 「遠州格子」誕生までのプロセス

  1. モノづくり集団の生産キャパと連携を確保
  2. デザイナーを選定·依頼
  3. 遠州縞デザインレクチャーを開催
  4. デザイニング
  5. 新デザイン(遠州格子)の試作織り見学
  6. 完成

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潮 -うしお-

コンセプト

 

既存の縞柄にある「青海 (あおうみ)」をベースにデフォルメさせた格子柄です。「青海」の縦縞 4色から横縞は白1色を間引きして形成した変則的なチェック柄に仕上げています。「青海」のブルーグラデーションを横から同色のグラデーションを切り、「青海」が渦巻くイメージ「潮」が誕生しました。試織なしでの一発本番の為、差し色を使わないリスクヘッジされたベーシックな色合いでインテリアの雑貨から服飾雑貨や衣料品まで使えるマルチ「遠州格子」です。

 


Design by 潮拓哉

長年のアパレル経験値からそのスキルを活かし、浜松伝統工芸である遠州縞のアパレル化を促進する2020'1にparis TRANOI展に「NIPPON KIMONO FABRICS」として出品、国内外への販売戦略を図っています。

コンセプト

 

楓の花言葉は、「調和」「美しい変化」「大切な思い出」です。今は植物がインテリアとしても人気となり、暮らしの中に調和することで、癒しや豊かさを与えてくれます。そんな現代の暮らしをイメージした、新格子柄です。


Design by 大高旭

遠州綿紬ぬくもり工房 代表の大高旭です。

遠州綿紬の独特な「日本色」と「縞柄」を大切にし、昔ながらの柄や新しい柄を提案しています。

三ヶ日みかん

コンセプト

 

シーズンになると三ヶ日の丘陵地ではあちらこちらでみかんが育っている風景が目立ちます。全国的に有名な三ヶ日みかんと遠州地方で昔から受け継がれてきた伝統の遠州織物が重なり、 両方の魅力を同時に知ってほしいという思いを込めています。 

 


Design by 水野早紀 

グラフィック系のデザイナーをしています。

千歳浜 - 英名 pine & dune -

コンセプト

 

生まれ育った地元、浜松(遠州)の風景、砂丘、松並木、天竜川を経糸と緯糸で表現。2本の緑(松葉をイメージ) 2本の青(遠州灘の水平線と空、又は天竜川の流れ)を交差させ、格子柄にベースとなる生地(遠州縞)は砂丘に見立ててあります。 「松寿千年翠」にちなんで千歳浜と名付けました。 

 


Design by 土屋公良

広告企画、制作会社代表をしております。

茶ちゃ桜好日

コンセプト

 

春に桜の花を見ながら新茶を味わう、お茶会をコンセプトに。静岡を代表する日本の新茶と四季の美しい春の桜をテーマに、これからも大事にしたい日本の一つとして作りました。浜松は日本のカリフォルニアです。 太陽をたくさんあびて、年をかさねても明るい洋服を着て、身につけて、日々の生活を過ごしたいですね。

 

 


Design by 伊藤みどり

みどりの森の美術館 代表。作家とお客様の両方の気持ちがわかる画廊として自身もアート制作を続けています。国内外で発表。みなさんと橋渡しとして、活動を続けています。

99 - ダブルナイン -

コンセプト

 

「息災でいてほしい人たちのために」。縞の単色の色を親に、緋の糸を子に見立て「家族の幸せを願う」気持ちが込めたように、連なる糸の数を“9月9日"重陽の節句で陽が重なる数に、格子の色糸を菊花に見立て、「息災でいてほしい」願いを込めました。 

 


Design by ベレバー・ミカエル

浜松にてデザイナーをしております。


織物監修

小野江織物(株) 松浦伸哉

企画・記事に関する問い合わせ

NPO法人 遠州縞プロジェクト事務局

〒430-0856 浜松市中島3-24-50

enshujima.project@gmail.com

053-431-1511(鈴木)


令和2年度 浜松市創造都市推進事業補助金